サタディレヴュー #204          7. 13. ’13

北朝鮮の現況

 

 拉致問題については、何が何だか訳の解らないところがある。

 政府やマスコミ、あるいは拉致当事者たちが把握していることと、一般国民に知らされて来た事との間には相当の乖離があるようだ。

 それは−乖離があるということは−ある意味では当然のことなのであるが、現実は“ある意味では当然”という範囲を越えている。ありていに言えば国民はかつがれていたのではないか、という気さえするのだ。

 「横田めぐみさんと金正恩」  飯山一郎(三五館)はこの問題と、それに関連して、北朝鮮の現況を知る上で興味深い材料を提供してくれている。

 もちろんここで語られていること全てについて、それが真実であるかどうかを判断する能力は私にはない。しかし“ 興味深い”レポートであることは確かだと思う。

 この著作で示されていることが大筋において、本当だとすれば、れわれは北朝鮮について、かなり見当はずれな情報を与えられていた、ということになる。

 金正日は基本的に親日的な人間であったらしい。実際に何度も日本へ、お忍びで来ていたらしい。

 金正日は古代史に興味を持っていて、彼の命令で歴史学会が作られた。その人たちの発案なのかどうか知らないが“北朝鮮の先祖でもある、百済が天皇制を発明して日本に持ち込んだ”という仮説を知るに及んで金正日は天皇制に異常な興味を持ち始めた。本当は自分が天皇になりたかったのだが、自分はそれにふさわしい“血筋”ではないためにそれはあきらめて息子の代に“高貴の血”を入れることを考えた。それを手に入れるためにたどり着いたのが横田めぐみさんを日本から連れて来る、ということであったという。

 横田めぐみさんは、27代(1392年から1910年までの約520年間)続いた李王朝と、日本の皇族双方の血筋が繋がっていると推測されている。

 李王朝は最後の皇太子であった李垠(ぎん)に日本の皇族、梨本宮方(まさ)子女王が嫁ぐ事になった。(いわゆる政略結婚)当時の朝鮮総督府は李王朝の断絶を望んでいた。そのために方子が、子供を産めない身体だということを皇室典医に確認した上で、皇太子に嫁がせた。しかし、結果的に、方子が結婚後二年目に王子を出産、名は晋(チンあるいはシン)と名付けられた。

 朝鮮側の強い要望により生後8ヶ月の赤ん坊を連れて夫妻は初めて1923年(大正11年)日本から朝鮮に渡る。

 明日日本に帰国するというお別れの晩餐会の後、部屋に戻ると赤ん坊は青緑色のものを吐いており、3日後に死去。これは日朝双方の暗殺説がある。

 その後公式には男子を二人産んだことになっていて(二人とも既に他界)。女子は記録にない。ところが昔から皇族では女子は「員数外」であって、嫁入り先に困るので、こっそりと尼寺にいれる、京都には無数の尼寺があるがそういうのはだいたい皇室と関係があるのだそうだ。

 横田めぐみさんの母親である横田早紀江さん(京都生まれ、とされている)が実は前述の李方子の子だったと、推測されている、ということのようだ。

 李夫妻(垠、方子)は終戦後1947年(昭和22年)国籍を喪失した。(無国籍)。韓国の初代大統領、李承晩は反日政策をとっていて、二人の帰国を拒否し続けたが、1963年(昭和38年)李正熙大統領の時代に李夫妻はようやく帰国を果たした。生活費は韓国政府から支出された。

 李方子さんは夫の死後も韓国で障害児の援助や福祉に力を注ぎ学校を設立している。韓国国民からは「韓国の母」と呼ばれている。62歳から87歳で亡くなるまで、方子さんの四半世紀は福祉一色だったそうだ。

 2002年北朝鮮は拉致の事実を認め謝罪している。同時に横田めぐみさんの「死亡」を日本側に伝えた。

 そして2004年得体の知れない遺骨が送られて来た。鑑定の結果、得体の知れないDNAが検出された。

 つまりそれは“死んだと思ってくれ”ということを意味しているようで、実際は生きている、それも相当高い地位に居るということらしい。

 もちろんそれは公式に言われていることではないのだが横田滋、横田早紀江夫妻の写真がそれを裏付けているように思える。

 写真に写っているこの二人はおだやかな満ち足りた表情をしている。自分の娘が不本意に連れ去られ、その揚句に死んでしまった、つまり殺されてしまった、そんな経験をしたことによる怒りの感情や憔悴した表情は微塵も読み取れないのだ。 

 もし仮に横田めぐみさんが死んでいなくて、実は金正恩の生母であり、且つ有力な地位についていることが事実であるとすれば、日本国民にとしては多少釈然としないところはあるものの、大局的に見れば日本にとって“いい材料”なのかも知れない、少なくとも周辺諸国の中の不安材料の一つが解消する、ということも繋がるかもしれないからである。

 横田めぐみさん関連事項以外にも上記の著作にはわたしたちにとって以外に思える指摘が見られる。 

 例えば“80年代まで、北朝鮮は豊かな国で、国力は韓国以上だと言われていました。92年のソ連崩壊の影響で、北朝鮮は一気に貧しくなります。”P.153 “今後世界で最も逼迫すると予想される資源は、石油、水、ウラン、タングステン、だ。その全てが北朝鮮にはある。(今北朝鮮の無尽蔵な地下資源は、日本を除く全世界の国々が狙っている。)P.81コバルト、石灰石、黒鉛、ルビジウム、マグネサイト、磁鉄鉱、ジルコニウム、マンガン、ニッケル、チタン、パラジウム、モリブデン、金剛石、ハフニウム、ニオブ等々がある。P.84

 “北朝鮮は労働党規約を改正、すでに共産主義国家ではありません。・・・・・まず、北朝鮮は「金日成同志を党と革命の領袖として戴く国家」だということ、つまり北朝鮮は「永遠に金日成の朝鮮」になった、ということです。朝鮮労働党の定義を「マルクス・レーニン主義の党である」という規定が削除され、「党と革命の永遠の領袖、金日成同志によって作られた党である」と改変された。(P.163

 “北朝鮮の新しい国家目標は@永遠に金日成同志の国家である。Aチュチェ思想を精神的な基礎とするB強盛大国を目指す。これをこの著者は次のように解説する。

 @ 金日成の国家 = 「檀君神話」 (≒ 「天孫降臨」)

 A チュチェ思想の基礎は「天皇機関説」(黄長Yの証言)

 B 強盛大国 → 近隣諸国をも繁栄させる大国 (≒ 大東亜共栄圏)

 要するに新しい北朝鮮とは古い大日本帝国が復活した!と思えばいい”(P.167)のだそうだ。 

 本当かなあ、という気もするが良く考えて見るとその辺が妥当な結論であるようにも思えて来る。

 この著書に特に問題ありと思われるのはユダヤ人の問題についての認識であろう。

 第二次世界大戦中にヨーロッパから多くのユダヤ人が満州や朝鮮にやって来た。それに加えて最近イスラエルを逃れて、北朝鮮へやって来る人たちが大勢いる。移住イスラエル人は「10年後には何十万規模になる。そして第二のイスラエルが出来る!」さらにもっと驚くべき情報がある。「この第二のイスラエルを作る運動を進めているのは北朝鮮在住の日本人だ!」と言うのだ。(P.59-60

 アイクは、世界にイスラエルが存在するということは居間に象が居るようなものだ。と言っている。

 イスラエルは世界の疫病神だ。そのイスラエルが、海を隔てているとは言うものの隣の国に引っ越して来るなんてことはとんでもない話だ。もしそんなことが実現するとすれば21世紀の日本にとって、最大の災忌になる筈だ。 

 今パレスチナの人たちが味わっている苦しみを将来の日本人が味わう事になるかも知れないのだ。

 

 

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