サタディレヴュー #196           5. 18. ’13

“ワンワールド政府”準備完了

 

 2001年9月11日の“米、中枢同時テロで航空機が突っ込み破壊された”(これに対しては各方面から多くの疑問が寄せられていて、それに対する明確な答えが一切なされていないにもかかわらず、新聞では事件以後一貫して、上記のように報道されている)ニューヨークの世界貿易センタービル(WTO)の跡地に建設中の高層ビル「ワンワールド トレードセンター」が10日、完成時の1776フィート(541メートル)に達し米国で最も高いビルとなった(513東京新聞夕刊)

 先づ注目すべきことはこのビルの名前だ。

 いわゆる陰謀論の世界では、闇の権力組織が、地球上の全ての国々を、包括する世界政府を作ろうとしている、ということが、基本的なテーマの一つとなっている。

 それはニューワールドオーダーとかワンワールド政府などの名前で呼ばれている。

 そのことは、陰謀論者たちの単なる憶測ではなくて、彼ら自身の言葉によって語られている事なのである。

 このビルの名前に「ワンワールド」という言葉を使ったということは、かれらの計画がほぼ完成の段階に来ていると、かれら自身が判断していることを意味しているものと考えられる。

 数年前からかれらは“陰の世界”から出て来て、公然と姿を現すようになって来た、と言われていることと一致するようだ。

 「ワンワールド政府」という考え方は、コールマン博士によれば英国東インド会社にさかのぼることが出来ると言う。

 日本の教科書では「東インド会社」は紅茶や香辛料を扱っていたように書かれているが、本当はアヘンであった。かれらはアヘン貿易で手に入れた豊富な資金によって、かれらが“理想とする社会”を作ろうとしたのだという。

 私たちは、アダム・スミスとかトマス・マルサスとかジェレミー・ベンタムとか、ジョン・スチュワート・ミルとかH・G・ウェルズとかいう人たちの名前位は学校の教科書で知っている。しかしそれらの人たちがどんな考え方をしていたのかは知らされていない。 

 例えばマルサスは「人口論」という著作名と共に記憶されているのだが、その「人口論」は“地球に存在する天然資源は有限だから人口は資源が許容する範囲におさえられるべきで、それを越える人たちは処分されるべきなのだ”というものだ、ということは殆んどの人たちには知らされていないのだ。

 先に名前を並べた人たちは東インド会社、あるいはその流れの中の人たちの御用学者であるようだ。

 現代の世界はRIIA(王立問題研究所)、CFR,(外交問題評議会)TC(三極委員会)、そして様々なシンクタンク、財団、研究所によって支配されているがそれらの全てをコントロールしているのが、コールマン博士によれば「三百人委員会」と呼ばれるもので、それは基本的に東インド会社の後継組織と、考えればいいらしい。

 日本でも“大衆はバカだからエリートが政治を担うべきだ”と考えている人のことをかなり前にこのレヴューで触れたことがあるが、それは先に述べた、イギリス支配層の考え方に発しているように思われる。

 ただ何と言っても日本人は人がいいから、そういう言い方をするにしても“エリートが大衆を含めた社会全体について配慮する”というニュアンスで言われるのだが、イギリス支配層の考え方は全くそうではない。

 つまり、かれらは社会に不必要な人間は抹殺されるべきだ、と考える、そして、誰が必要な人間で、誰が不必要な人間であるかは自分たちが決める、自分たちにはその資格がある、と考えている。

 日本には何の根拠もないのにイギリスびいきの人たちが沢山居る。その人たちは単にイギリス支配層の人たちについて無知であるにすぎない。 

 実際にそれを知ればかれらはこんなバカなことを考えているのかとあきれかえるようなものなのだ。

 かれらの仲間の一人であるH・G・ウェルズはその著書「公然たる陰謀−オープンコンスピラシー」の中でかれらが“理想とする”ワンワールド政府によって統治される世界を説明しているのでその抜粋を紹介する。

 “ワンワールド政府および単一通貨制度、その頂点には終身制の、選挙によらない世襲の寡頭支配者層が置かれる。指導者は仲間から選び、中世と同じ様な封建的形態でワンワールド政府の人々を治める。ワンワールド政府国家では、人口調整は出生児数の規制、疾病、戦争、飢餓などを通じて行われる。こうして「余剰人口」が始末された後は、支配階級の役にたつ10億人が、厳密かつ明確に線引きされた各地域内に、世界の総人口としてのこされる。中産階級は存在しない。支配者と奴隷だけの世界だ。

 すべての法律は統一される。世界法廷が各地に置かれ、単一の法体系のもとに法が執行される。ワンワールド政府警察とワンワールド統一軍がこの単一法を施行する。

 国境は存在しなくなり、かっての国家はみなワンワールド政府の法のもとに置かれる。制度の基礎は福祉国家だ。ワンワールド政府におとなしく従う者は見返りとして生活手段が与えられる。反抗する者は飢え死にするか、犯罪者にされ、法の保護を奪われ、自由に殺しても良い存在になる。小火器や武器の私的所有は禁じられる。

 信仰しても良い宗教はただ一つだけに絞られる。「ワンワールド教会」だ。これは1920年から存在している。グノーシス主義、悪魔主義、ルシファー崇拝、魔術が正規のカリキュラムになる。私立学校や教会が運営する学校はなくなる。”

 “個人の自由、さらには自由という概念そのものがなくなる。この状況を生み出すために、共和政体、主権、民衆の諸権利、といったものは一切なくなる。合衆国憲法は廃止され、条文を読むことさえ禁じられる。国家の誇りや民族としてのアイデンティティは排され、新世界秩序移行期には、自分の人種的ルーツを口にしただけで、極めて厳しく処分される。”

 “結婚は違法となり、われわれが知る従来の家庭生活はなくなる。子供は幼い内に親から離され、ワンワールド政府の所有物として監督、育成される。このような実験は、東ドイツ時代にエーリッヒ・ホーネッカーがすでに行っている。当時国家に忠実ではないと見做された親は子供を取り上げられた。女性は「女性解放運動」を通して堕落させられていく。フリーセックスが義務化される。”

 “ポルノグラフィが奨励され、学校では必修指定科目となり、すべての劇場、映画館で観賞可能となる。これにはホモセクシュアルやレズビアンのポルノも含まれる。「娯楽」としてのドラッグ使用はもはや犯罪ではなくなる。ドラッグは各人に割り当てられ、ワンワールド政府認可店に行けば世界中どこでも手に入れる事が出来る。

 マインドコントロール用のドラッグ使用も広がる。「反抗的」あるいは「社会秩序を乱す」行動が見受けられる場合は「治療」との名目で使用が強制される。マインドコントロールドラッグは人々が知らないうちに、あるいは同意のないままに食品や上水道に混入される。”

 “経済システムは支配階級に管理される。食料、製品、サービスの提供は、大衆の奴隷労働収容所を賄えるだけが許される。富は300人委員会のエリートメンバーの手に集中する。人々は洗脳され、ワンワールド政府に完全に依存しなければ生きていけないと信じ込まされる。300人委員会の行政命令が即座に法律となり、世の中は300人委員会の法の下で支配される。裁判法廷はなくなり、懲罰法廷だけが存在するようになる。”

 以上がワンワールド政府が統治する世界の青写真なのだ、と聞かされても、まともな考えの人間にとっては何をバカなことを言っているのだ、位のことしか言えない。

 広辞苑ではH・G・ウェルズを次のように説明している。

 イギリスの思想家。作曲家。作家。自然科学の教養と文明批評眼を兼備、また「フェビアン協会」に属する社会改良主義者(1866−1946)

 この項目の執筆者がH・G・ウェルズの著作を読んでいない事は明らかだ。仮に読んでいたとしても、ある種の寓話としてしか読めなかったのであろう。それが単なる“お話し”ではなくて、具体的な実行計画のためのマニュアルだなんてことは夢にも考えなかったのだ。

 半世紀以上も前から、あるいはもっと前からかれらは自分達の将来計画を明らかにしていた。しかし、それが余りにも、現実離れしたものであったために人々はそれを真面目に受け取らなかった。かれらがその計画を本気で実行しようとしている、あるいは現実に実行していることに最初に気付いたのが コールマン博士であった、ということであろう。

 300人委員会のメンバーというのは一体どういう人たちなのか。かれらのキャラクターを簡単に紹介出来る様なモデルは我々のまわりには存在しない。かれらの考え方や行動は少なくとも私たち普通の日本人には考えられない様な屈折したものだ。強いて言うなら冷徹な知性と途方もない行動力を備えた狂人というところであろうか。

 わたしたちはH・G・ウェルズが画いた世界が現実に目の前にあることに目を閉ざすべきではないだろう。

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